- "奴らは我々の同胞の皮を剥ぎ、我が弟の身体を切断した。お前たちの王子の身体を。お前たちの王子の!奴らが王子にしたことは、奴らがお前たちにしたことでもあるのだ!奴らが何の咎めも受けずに王子を傷つけられるというなら、『鉄諸島生まれの』という言葉には何の意味もない!"
- ―ヤーラ・グレイジョイ
ヤーラ・グレイジョイはシーズン2からシーズン4、およびシーズン6に登場する人物である。ジェンマ・ウィーランが演じ、“粛清“で初登場した。ヤーラは鉄諸島生まれで、シオン・グレイジョイの姉で、かつ、彼の兄弟で唯一の生き残りである。
人物[]
ヤーラはベイロン・グレイジョイと妻のアラニス・ハーローにとって唯一の娘であり、パイクで生を受けた。ロドリックとマロンという兄がおり、シオンという弟がいる。ロバートの反乱の後、父のベイロンは王朝に対して反旗を翻するが、それはロドリックとマロンの2人の息子を失う結果に終わる。更に生き残りの息子であるシオンはエダード・スタークの人質となる。以降ヤーラはベイロンにとって息子の代わりとなり、後継者として育てられる。彼女は激情的な戦士であり、自身の船を指揮する。
経歴[]
シーズン2[]
弟のシオンが北の王ロブ・スタークの使節として鉄諸島に戻った際、ヤーラは姉であることを隠して彼を迎える。シオンは迎えの女が姉であることに気付かずに彼女を誘惑するが、パイクに入城した後で真実を知ることになる。ヤーラはこれについてシオンの人物像を確かめたかったのだと語る。
父のベイロンは北部諸侯が戦争に出かけている間に北部を襲う計画を立て、ヤーラには30隻の船を与えてグラヴァー家の本拠であるディープウッド・モットを襲うよう命じる。対して1隻の船しか与えられなかったシオンは父に反抗し、処遇に不満を漏らす。ヤーラはシオンがグレイジョイ家ではなく、スターク家に重きを置いていることを疑う。
ヤーラは乗組員たちを指揮できずにいるシオンに遭遇する。シオンと違って自分ならば部下を従えられると言い、ストーニーショアを楽しむよう挨拶する。30隻の艦隊で出航した後、ディープウッド・モットを占拠する。
当初の計画に反しトーレンズ・スクエアを襲撃してウィンターフェルを奪ったシオンは、ディープウッド・モットにいるヤーラに対し、城を固守するため500人の兵の増員を求める。報せを受けたヤーラはウィンターフェルに向かうが、その目的は増員ではなくシオンを故郷に連れ帰るためである。シオンが犯したブラン・スタークとリコン・スタークの殺害は愚かな行為であると責め、今や北部中から狙われる立場となったことを警告して帰郷を促すが、弟は言う事を聞かない。
シーズン3[]
ラムジー・スノウが鉄諸島人の北部からの撤退を要求する脅迫文と、シオンの性器が入った箱を送り付けてくる。彼は要求を飲まない場合、更に多くのシオンの身体の一部を送り付けると脅すが、ベイロンは去勢されもはや後継者を作れないシオンの命よりも城を保守することを選ぶ。だがヤーラはこれに逆らい、シオン救出のため最速の船を指揮し、ドレッドフォートへ向かう。
シーズン4[]
ドレッドフォートに辿り着いたヤーラと兵たちは城に侵入し、歩哨を脅迫してシオンの居場所を聞き出す。犬舎に閉じ込められているシオンを発見し連れ出そうとするが、ラムジーを恐れるシオンは救出を拒否する。そこに騒ぎを聞きつけたラムジーが現れ、乱戦となるが、猟犬を放たれたため撤退する。シオンが救出を拒否したことに失望したヤーラは、ボートで待機していた兵に弟は死んだと告げる。
シーズン6[]
ヤーラはディープウッド・モットを守っていた鉄の民が一人残らず殺され、グラヴァー家によって奪還されたことを父ベイロンに報告する。もはや保守する城が残っていないため侵略は終了したも同然であるが、ベイロンは更なる侵略を命令してヤーラを呆れさせる。ベイロンは娘に従わないなら他の後継者を探すまでと警告する。
ベイロンが不審な死を遂げたため、女王となった際は父の復讐をすることを誓うが、エイロンにそれは選王民会で初の女王に選ばれた時の話だと釘を刺される。
ボルトン家から逃げ出したシオンが鉄諸島に帰還した際は冷たく迎え入れる。そして救出を拒んだことを責め、選王民会の直前に帰ったことを訝しむが、シオンは王になるつもりなどなく、ヤーラを支持すると言う。
選王民会の場で真っ先に塩の玉座を要求するも、女であるため反対する者が現れる。帰還したシオンこそ王にふさわしいとする声が挙がるが、当のシオンは姉こそが略奪者で戦士、そして鉄の民であるため女王にふさわしいと主張する。この演説でヤーラが女王に決まりかけるが、そこに彼らの叔父ユーロンが現れる。ユーロンはシオンが性器を切り取られたことについて嘲り、女王の誕生に異を唱える。ヤーラはユーロンがベイロンを殺害したと睨み、女王になった際の最初の仕事は父を殺した者の処刑だと言うが、ユーロンはあっさりベイロンを殺したことを認める。そして民から慕われず、二度も負け戦に挑んだベイロンを早く殺すべきだったと皆に謝罪する。シオンは世界中を旅し、放蕩していたユーロンよりも実際に鉄人たちを率いていたヤーラこそ名誉を取り戻すと言う。ヤーラはかつてないほど巨大な船団を作ると言うが、それに対しユーロンはデナーリス・ターガリエンに求婚し、彼女とウェスタロスを征服するという野望を掲げる。この野望を前にした民たちはユーロンを王に選んだ。ユーロンが戴冠を受けている間に、ヤーラとシオンは船団を率いて鉄諸島から逃亡する。