バラシオン家は、名家のうちで最も新しく、征服戦争中に創設された。
七王国の諸名家の中で最も新しい家であり、 ストームランドで最上位の貴族である。バラシオン家はターガリエン王朝を創始したエイゴン・ターガリエン1世の私生児の兄弟であるオリス・バラシオンに始まる家系であると言われる。オリスは最後の〈嵐の王〉アージラック・デュランドン傲慢王を倒し、その娘を妻とし、バラシオン家を創始した。本拠地はストームズエンドであり、包囲にも嵐にも屈したことはない。紋章は金色の地に王冠をかぶった黒い牡鹿であり、標語は“氏神は復讐の女神”である。 シリーズの15年前に、ロバート・バラシオンはリアナ・スタークの失踪に抗議して、ターガリエン家に対して反乱を起こした。バラシオン家は、スターク家、タリー家、アリン家、そして最終的にはラニスター家の助けを得て、〈鉄の玉座〉とドラゴンストーン諸島を手に入れた。ロバートの弟のレンリー・バラシオンは、スタニス・バラシオンに行くはずのストームズエンドを与えられ、その代わりスタニスには貧しいドラゴンストーンが与えられ、これはロバートとスタニスの間の緊張の源となった。ロバートはサーセイ・ラニスターと結婚して、ジョフリー、ミアセラ、トメンの3人の子をもうけたが、その父親は実はサーセイの双子の弟であるジェイミー・ラニスターである。ロバートの死後、ジョフリーが王となる。
ジョフリーの出自を理由として、スタニスとレンリーは反乱をおこし、王位を要求する。レンリーは本家である“ストームズエンドのバラシオン家”の当主となり、スタニスは“ドラゴンストーンのバラシオン家”として分家を創設する。ジョフリーの戴冠の後、ジョフリーの個人の紋章はバラシオンの黒と金の牡鹿とラニスターの赤と金の獅子を組み合わせたものとなる。レンリーは金地に黒い牡鹿の紋章を使い続けたが、スタニスは黄色の野に赤く燃える心臓と王冠を頂く牡鹿の紋章を用いる。
一族[]
- ロバート・バラシオン
- サーセイ・バラシオン
- ジョフリー・バラシオン
- ミアセラ・バラシオン
- トメン・バラシオン
- スタニス・バラシオン
- セリース・バラシオン
- シリーン・バラシオン
- レンリー・バラシオン
- ジェンドリー
- オーリス・バラシオン
- ローガー・バラシオン
- ボリス・バラシオン
- ボアマンド・バラシオン
- ライオネル・バラシオン<笑う嵐>
本拠地[]
キングズランディング[]
ウェスタロスおよび七王国の首都。ブラックウォーター川河口の、エイゴン征服王がその征服を始めるためにウェスタロスに上陸した地点に位置している。市は城壁に囲まれ、〈金マント〉として知られる〈王都の守人〉(都市警備隊)によって守られている。城壁の内側に目立つ自然景観は3つの丘であり、エイゴンとその二人の姉妹にちなんで名づけられている。貧しい庶民は城壁の外側の掘立小屋に住む。キングズランディングは極めて人口が多いが、醜く汚い。市の廃棄物の悪臭ははるか城壁の外にも届く。
王城は〈赤の王城〉(〈赤い城〉)と呼ばれ、エイゴンの丘に建ち、王の宮廷がある。城には七王国の玉座である〈鉄の玉座〉がある。エイゴン征服王は、破った敵の剣から玉座を作ることを命じた。伝説によれば、統治者たるものは決して玉座に快適に座っているべきでないと信じて、刃を鋭いままにさせたと言われている。数世紀たっても、いまだに玉座に座って体に傷を負う王もいる。玉座で傷を負ったものは、玉座に“拒否”されたことを意味し、統治者にはふさわしくないと幅広く信じられている。
キングズランディングにはまた、ベーラー大聖堂があり、〈篤信卿〉が総司祭のもとに集まる。もっとも神聖なる〈七神正教〉の聖堂である。キングズランディングの貧民街は〈蚤の溜まり場〉と呼ばれ、住民はあまりに貧乏であるため、子犬や殺された人間の肉が入っていると噂される、〈茶色がゆ〉と呼ばれる謎のシチューで生き延びている。
オベリン・マーテルの来訪時に出迎えたティリオンの言によると、キングズランディングは、50万を超える人口があると推測されている。
ドラゴンストーン[]
かつては古代ヴァリリア永世領(古代ヴァリリア自由保有地)の最西端の前哨地であった。〈破滅〉と呼ばれる謎の災厄の一世紀前、ターガリエン家がこの地を統治するために送りこまれた。〈破滅〉がヴァリリアを襲ったとき、ターガリエン家はヴァリリアのドラゴンの最後の生き残りと共にこの島で生き延びた。一世紀後、エイゴン・ターガリエンとその姉妹であるレイニスとヴィセーニアは島から大規模な征服作戦を開始し、最終的にはドーンと〈壁〉の北を除く全ウェスタロスを征服した。その後、エイゴンの子孫は3世紀にわたって七王国に君臨した。
〈簒奪者の戦争〉の間、キングズランディングの略奪以前に、妊娠していたターガリエンの王妃レイラと息子のヴィセーリスはターガリエン艦隊の一部と忠実な兵士たちの守備隊と共にドラゴンストーンに送られた。だが、キングズランディングの陥落の後、ロバート・バラシオンはこの島の砦を落とすために弟のスタニスを送りこんだ。王に忠実な艦隊が嵐で破壊された後、ターガリエンの守備隊はヴィセーリスと生まれたばかりの妹デナーリスを裏切ってスタニスに引き渡そうとした(王妃は産褥の床で死んでいた)。しかし、サー・ウィレム・ダリーに率いられた忠実な家来たちは王の子らを連れ出した。スタニスはやすやすとドラゴンストーンを攻略し、ロバート王は城をスタニスに与えたが、バラシオン家古来の本拠地であるストームズエンドを末弟のレンリーが相続したために、スタニスは冷遇されたと考えた。
ロバートの死後、スタニスは、王妃サーセイの子供たちが近親相姦による私生児であると非難し、自らが王であると宣言する。ドラゴンストーンは彼の本拠地になる。
ストームズエンド[]
バラシオン家の本拠であるが、それ以前は数千年に渡って〈嵐の王〉の古の本拠地であった。伝説によれば、〈最初の人々〉の時代の最初の〈嵐の王〉ダランは、海神と風の女神の間に生まれた娘であるエレネイの愛を得た。ダランはエレネイを妻としたが、怒ったエレネイの両親は強力な嵐を送りこんでダランの城を破壊し、婚儀の客と家族を殺した。ダランは神々に宣戦布告し、シップブレーカー湾に沿って、より大きくより強固な城を次々に建設した。最後の七番目の城は嵐に耐えた。これは〈森の子ら〉(森の子供たち)の助けを得たからであると言われるが、後に〈壁〉を建設したブランドン・スターク少年が、ダランに築城法を教えたからであるとも言われる。その真実は明らかでない。
王となった兄のロバートが城を末弟のレンリーに与え、スタニスを寒風吹きさらすドラゴンストーンの領主としたため、スタニスは怒り、何年も恨みを抱くことになった。
旗手および家来[]
鉄の玉座の家来[]
- アリス・オークハート
- イリーン・ペイン
- ヴァリス
- クァイバーン
- サンダー・クレゲイン
- ジャノス・スリント
- パイセル
- ピーター・ベイリッシュ
- ベイロン・スワン
バラシオン家の旗主[]
スタニス・バラシオンの旗手および家来[]
- サラドール・サーン
- ダヴォス・シーワース
- メリサンドル