- "ハレン暗黒王はこの城が彼の偉大な遺産になると思っていたんだ。一番高い塔、一番丈夫な壁を持つ、史上最高の要塞になると。大広間には35個も暖炉があるんだ。35個だ、想像できるか?見ろ…今はもうただの廃墟だ"
- ―タイウィン・ラニスターからアリア・スタークへ
ハレンの巨城はウェスタロスの中で一番大きい城だが、呪われている城とも言われている。この城はリヴァーランドの中心、〈神の目〉の北岸にあり、三叉鉾(トライデント)河の南側、キングズランディングの北西にある。
歴史[]
背景[]
ハレン・ホアレ王の祖父は鉄諸島の人々、鉄人を率いて元々ストームランドの物だったリヴァーランドを征服した。鉄人は住人たちのことを全く気にかけず、彼らの統治は以前の統治者よりもだいぶ野蛮で暴虐であった。支配をより強固にするため、ハレンの祖父は リヴァーランドの中心である〈神の目〉の北岸に大きな要塞を作るよう命令する。ウェスタロス最大であり最高の要塞は、三世代かけて完成された。鉄人は支配と要塞の完成のために、リヴァーランドの人々を強制的に働かせた。ハレン王の世代でようやく城は完成し、彼は城を傲慢にも自分の名前から「ハレンの巨城」と名付けた。しかし、城が完成したその同じ日に、エイゴン・ターガリエンとその姉妹たちがドラゴンストーンから軍隊と三匹のドラゴンを引き連れてブラックウォーター川から上陸し、征服を開始したのだった。
ハレン王は城の高い壁なら攻撃に耐えられると思っていたが、ドラゴンはただそれを飛び越えていった。ハレンの巨城が燃え落ちた時、エイゴンはバレリオンというドラゴンを使い、ハレン王とその息子たちを塔ごと焼き尽くした。ハレンの巨城はドラゴンの炎に焼かれ、半壊したまま捨て置かれた。
その後、エイゴン・ターガリエンはクォヘリーズ家にハレンの巨城を与えたが、クォヘリーズ家はのちに断絶。その後、タワーズ家、ハロウェイ家、ストロング家、ロストン家が同じようにハレンの巨城を与えられたが、彼らは全員ホアレ家やクォヘリーズ家と同じように断絶した。そのため、ハレンの巨城は呪われていると言われるようになった。狂ったロストン夫人、燃えるハレンとその息子たちの幽霊、そして目が覚めたら灰になってしまったハレン家の使用人たちの幽霊の話など、ハレンの巨城には色々な噂話がある。
ハレンの巨城はまるで白い象のようである。ウェスタロス大陸で最大の城だが、大きすぎてその城を守る軍隊を支える食料を生産することができない 。ハレンの巨城の主人となった人間は、その巨大な城を維持するために金と資源をだんだんと失っていく。結果的に、ハレンの巨城は十分に人員が配置されることはなかった。その上、300年前のターガリエンの攻撃から完全に修復されることはなく、大きすぎるため要塞を守るための守備兵も足りず、ハレンの巨城はウェスタロス大陸で最も防御力の高い要塞とは言えない。
ハレンの巨城周辺の土地は、三叉鉾河と〈神の目〉の分かれ道にある立地のため、ウェスタロス大陸の中でも肥沃な土地である。平時ならば、ハレンの巨城の所有者はそれなりに裕福になれるだろう―人間の守備隊のかわりに、骸骨の軍隊でも雇う場合に限るが。そのすさまじい大きさのため、ウェスタロス大陸で最も生産力のある農地ですら、要塞を守るために十分な兵力を支えることはできないと言われている。それにもかかわらず、不用心な人々は城を素晴らしい報酬だと捉え、城を持つことの実際の利益がいかに小さいかを考えない。
五王の戦いの際、ハレンの巨城はウェント家のものだったが、後にそれは奪われ、ジャノス・スリントがエダード・スタークを裏切ったことへの報酬として、スリント家へと渡される。しかし戦争中だったため、スリントはその城へ住むことはなく、そのまま城はスリント家から奪われ、ジャノスは壁へと送られる。シーズン2では、ロブ・スタークと戦っていたタイウィン・ラニスターが、 リヴァーランドにおける軍隊の基地として使っていたが、後にラニスターはブラックウォーターの戦いでキングズランディングを守るために、城を引き払う。シーズン3の序盤では、捨てられた城は北の軍(ロブ・スタークの母方の祖母はウェント家だったため、彼には城の相続権があった)の物となり、ロブは北の軍の分隊をルース・ボルトンとともに城に残す。ボルトンがエドミュア・タリーとロズリン・フレイの結婚式のために城を離れた際は、城は彼の家臣であるロックに任された。しかし、シーズン4でロックはボルトンとともに北にいる事が確認されており、現在誰がハレンの巨城を管理しているのかは不明。城がラニスター家の元へ戻ったのかもしれないと推測できる。