- "死者たちのことを忘れろと言っているわけじゃない。俺だって片時も忘れたことはない。マンスが壁に攻めてきた夜に俺は50人もの兄弟を失ったんだ。ただ、今はあんたの子供たちのことを考えてくれと言っている。我々が連帯しないと、彼らが子孫を残すこともできなくなるだろう。冬が来れば死者たちもやってくる。どんな勢力も奴らを止めることはできない。あんたたちにも、俺たちにも、南の王たちにも誰にも止められない! 勝算があるとすれば、連帯することだけだ。俺たち皆が。それでもまだ足りないかもしれない、でも少なくともクソ野郎どもに抵抗することはできる"
- ―ジョン・スノウ
ジョン・スノウはシーズン1からシーズン6まで全体を通じて主要人物として登場している。演じているのはキット・ハリントン、初登場はシーズン1の第1話。
ジョンはウィンターフェル城主エダード・スタークの私生児。はじめのうちは劣等感を持っていたが、〈冥夜の守人〉として働くことで、出自が問題にならない自分の居場所を見つけることができた。ゴーストという大狼を飼っており、ヴァリリア鋼で出来た大剣〈長い鉤爪(ロング・クロウ)〉を使いこなす。この剣はジョンを自分の雑士として重用し、息子のようにかわいがっていたジオー・モーモント総帥から贈られたもの。
“壁の向こうの王”マンス・レイダーの計画を暴く使命を帯びて、ジョンは野人の部隊に潜入する。計画を探るうちに野人の女性イグリットと恋に落ち関係を持つが、兄弟である〈冥夜の守人〉に侵攻を知らせるために、彼女を捨てて行かなければならなかった。
黒の城の戦いで防衛に貢献したのち、第998代〈冥夜の守人〉総帥に選ばれる。その後、総帥としてホワイト・ウォーカーと戦うために、物議をかもしながらも同盟をとりまとめ、野人の盟友トアマンドと共に戦った。戦いでジョンはホワイト・ウォーカーを殺した二人目の黒き兄弟となった。このときホワイト・ウォーカーはヴァリリア鋼に弱いということをジョンは発見する。
しかし、より大いなる善のために正しいことを行おうとしているジョンは、苦渋の選択を繰り返すうちに冥府の守人たちとの関係を悪化させ、それが最終的に彼の運命を決定づけることになる。ある時、ジョンの意見に反旗を翻した者たちにめった刺しにされ、ジョンは雪の中に血だらけになって倒れ、死を迎えた。
彼の死亡直後にダヴォス・シーワースとエディソン・トレットがジョンの遺体を発見し保護する。野人たちの助けを借りつつメリサンドルの魔術により蘇生される。その後ジョンは自らを死に追いやったアリザー・ソーン、オセル・ヤーウィック、バウエン・マーシュ、そして自分の雑士として弟のように可愛がっていたオリーを絞首刑に処す。一度死亡したことにより〈冥夜の守人〉の誓約から解放されたジョンは、自ら着ていた黒衣をエッドに託し、その場を去る。ウィンターフェルから逃亡してきた妹サンサと再会を果たすが、直後にラムジー・ボルトンからの脅迫の手紙が届く。ウィンターフェルを奪還するべく、モーモント家を初めとするスタークを支持する北部諸侯の協力を仰ぐが、兵力がボルトン家に劣ったまま、戦争を挑むこととなる。
人物[]
北の落とし子であることを示すスノウの姓を持つジョンは、エダード・スタークが戦争中に作った私生児である。父であるエダードがその出自に関してほとんど語る事なく命を落としたため、ジョンの生まれは謎に包まれている。エダードの妻であるキャトリンはジョンに辛く当たり、また落とし子としての疎外感もあり子供時代は辛いものだった。幼い頃高熱にうなされたことがあり、キャトリンは一瞬だけジョンのことを哀れに思ったが、結局優しくしてくれることはなかった。エダードは落とし子であるジョンや人質のシオンを他のスタークの子供たちと同じように育てた。そのため他の腹違いの兄弟とは良好な関係を築いており、壁に旅立つ直前にアリアに短剣を贈った。また、北部の森で拾った大狼のひとつを引き取り、ゴーストと名付けて育てることにする。
来歴[]
ジョンは、スターク家当主エダード・スタークの私生児。北部は、ウェスタロスの七王国の一つを構成する広大な地域であり、スターク家は北部で最も偉大な家系の一つ。スターク家は、ウィンターフェルを拠点に北部を支配し、エダードはウィンターフェル公の称号を持つ。また、エダードはロバート・バラシオン王に仕える北の監視者でもある。
エダードは以前、ロバート・バラシオン王にジョンの母親はウィラという若い使用人だと話したが、それ以上語ることはなかった。ジョン自身は、母親について何も知らず、生きているのかどうかも分からない。
ジョンは、エダードの嫡出子達と同等にウィンターフェルで育てられる。ジョンには、腹違いの兄のロブ、妹のサンサとアリア、弟のブランとリコンがいる。ウィンターフェルでのジョンの存在は、エダードと妻キャトリンの衝突の種でもあるが、幼いジョンがひどい病気にかかった時、キャトリンは一時的に怒りを鎮め看病した。ジョンは、特にロブ、アリアと仲良くなった。
シーズン1[]
ジョンとロブが脱走者を補獲したと聞かされたのは、ブランに弓術を指導している時だった。その冥夜の守人の脱走者ウィルの処刑に、ジョンは父、ロブ、ブラン、シオン・グレイジョイと共に同行する。これは、ブランにとって父親が死刑執行を行うのを初めて見る機会でもあった。ジョンはその時、ブランに目をそらさないよう警告する。そしてジョンは冷静を保ったブランのことを褒めた。ウィンターフェルへの帰り道で、彼らは死んだ大狼(ダイアウルフ)と6匹の生まれたての仔狼を見つける。ジョンは、5匹の仔狼がいることと、生粋のスタークの子供達が5人いることから、これはスタークの子供たちが仔狼を引き取る運命で、これは古今の神々からの導きであるに違いないと考え、エダードに大狼はスターク家の紋章であるからと、スターク家の子供たちが仔狼を引き取るよう説得する。これを主張するために、ジョンは意図的に自分をスタークの子供の数から外した。ブランにそれを聞かれると、ジョンは自分はスタークではないからと答える。しかし、皆からがその場を去ろうとしていた時、母親の死体から這いずり出てきていたアルビノ種の一番小さな仔狼を見つける。自分は部外者だからというシオンの提案で、ジョンがその仔狼を引き取ることになり、その仔狼にゴーストと名づける。
ジョンは継母に冷遇されていることもあり、伯父のベンジェンに相談し、冥夜の守人になることを決める。ジョンはその時、客人として訪れていた、のけ者にされる気持ちが分かる小人のティリオン・ラニスターに会う。ティリオン・ラニスターは、ジョンに「私生児」という名前を名誉の印として身につければ、誰もその言葉でジョンを傷つけることができなくなると言う。
ジョンは、壁の向こう側に存在するとされる恐ろしいものから人々を守ってくれて感謝すると皮肉をこめて言うジェイミー・ラニスターと口論となる。ジョンは壁に向けて出発する前、落下事故で傷を負ったブランに別れを告げる。義理の母親であるキャトリンはエダードが他の女との間にもうけた子に未だどう接していいかわからず、この時もやはり、ブランの件で精神的に余裕がなかったこともあり、ジョン・スノウに対し冷たくすることしかできない。また、アリアには、彼女のために作った細身の剣を渡し、「先で相手を突け。」とアドバイスをする。アリアはこの剣に「ニードル」と名付ける。ジョンは、寂しくなるよと言いながら再度自慰行為をし、二人は抱擁し別れる。
ジョンが馬に乗りこもうと準備をしていた時、ロブはブランが死ぬかもしれないという思いから、ジョンにブランへ別れを告げたのかと聞く。ジョンは、スターク家は簡単には殺されないと言う。ロブがジョンに、キャトリンの反応がどうだったかを聞き、ジョンは「優しかったよ」と答える。ロブは、いつか壁を訪れると言い、二人は抱擁し別れを告げた。王の道での別れの際、エダード・スタークは、次にジョンに会う時に母親に関する真実を告げると誓った。ジョンは、伯父のベンジェンと、壁を見てみたい(そして死ぬ前に壁から小便をしてみたいと) と言う ティリオン・ラニスターと共に壁へ向かった。
黒の城での、冥夜の守人たちの立ち居振る舞いはジョンの期待にはそぐわないものだった。そこに居たのは野人とホワイト・ウォーカーから王国を防衛すると誓った雄大な戦士の仲間達ではなく、犯罪者とろくでなしばかりで冥夜の守人は彼らの流刑地になっていたからだった。
ジョンは、新人を指導する武術指導者のアリザー・ソーンの敵意を買う。ジョンは、長年ウィンターフェルの戦術指導者から学んだ優れた剣術で、アリザーの新人に恥をかかせてしまったからだ。ベンジェンはジョンの初めての監視に一緒に立ちあい、その後、哨士長(ファースト・レンジャー)として壁の向こう側を調査してくることを伝える。ジョンは一緒に同行することを懇願するが、ベンジェンはジョンに鍛錬し自らの力でのし上がるように言い聞かせる。そんななか、ティリオンはジョンに、ジョンが新人と何も変わらないこと、けれど新人たちよりは有利な状況であることを伝える。ジョンは、新人数名とピップをトレーニングをすることを申し出、グレンは承諾する。ジョンはまた、サムウェル・ターリーが黒の城に到着した際、彼の味方となり、ソーンの残酷な指導からサムウェルを助けた。ソーンは、それに憤慨し、サムに甘くすることはジョンの助けにならない上に、次の冬が来たら自分を死に追いやるリスクとなると言った。
鍛錬を終えた後、ジョンは冥夜の守人としての誓いを立てる。しかし彼は、哨士(レンジャー)ではなく、雑士(スチュワード)に配属された。それをジョンはアリザー・ソーンとの不和のためだと考えるが、サムは、総帥ジオー・モーモントが専属のの雑士としてジョンを指名したこと、そしてジョンを次期総帥として育てる気があるのかもしれないと指摘する。
ジョンは、伯父ベンジェンの馬が彼を乗せずに壁に戻ってきたので彼の身を案じた。だが、その後ベンジェンたち一行の哨士であるオーサーとジャファー・フラワーズの遺体をゴーストが発見する。
また、キングズランディングでは事件が起きエダードが反逆者として投獄される。それを知るとソーンはジョンを謀反人の私生児とからかう。それに我慢がならずジョンはその場で剣を抜いてしまい、ジョンは外出禁止となってしまう。そんな時、オーサーの死体は、亡者として生き返り、総帥モーモントを襲う。ゴーストの様子からそれに気づいたジョンは、すぐに駆け付け亡者を炎に包みモーモントの命を救い、以前の不品行に対する許しを得る。そしてジオーは、モーモント家の家宝であり、かつては息子ジョラーが持ち主であったヴァリリア鋼の剣、〈長い鉤爪〉(ロング・クロウ)を与えた。
ジョンはロブの軍がキングズランディングに向け進軍していることを知り、〈冥夜の守人〉の誓いを破りロブと共に戦うことを思案するが、メイスター・エイモンは自身の甥であり、〈狂王〉という異名で知られるエイリス・ターガリエンやその子供達、孫達がロバート・バラシオンの反乱軍によって殺され、ジョンと同じような状況になったとき、〈冥夜の守人〉に残ることを選択したということをジョンに話す。
やがてエダードの死刑執行の知らせが黒の城に伝わる。ジョンはすぐさまロブに会い、父の死の復讐をしようと出発する。しかし、それに気づいたサムウェル、ピップ、グレンはジョンを引き留め、黒の城に残るように説得する。その一部始終を聞いたモーモントは、ジョンにキングズランディングの玉座を巡る戦いよりもホワイト・ウォーカーとの戦いのほうが重要だと諭す。モーモントは、ベンジェンを探し、また、脅威の真相を掴むために、冥夜の守人は壁の外に進軍を始めるのだとジョンに伝える。ジョンは、二度と逃亡をしないとモーモントに誓い、軍が出発する時に同行する。
シーズン2[]
総帥ジオー・モーモントは、ベンジェン・スターク、亡者の攻撃についての説明を求め、斥候部隊が北へ進む中、ジョンを指揮の役割にさせようと準備をする。部隊は、不快な同盟、クラスターの家に到着する前、いくつかの野人の廃村を通り過ぎる。ジョンはクラスターが自分の娘達と結婚し、しかし、息子は全くいないことを知り当惑する。ジョンは、クラスターをひと目見た瞬間に嫌気がさす。この気持ちはお互い同じだったが、クラスターはジオーに、ベンジェンを見ていない事、野人達が壁の向こうの王、マンス・レイダーの元に集まっているということを明かす。ジオーは、クラスターとのやり取りで自分に従わなかったとジョンを叱責する。
サムウェル・タリーは、クラスターの妻で妊婦のジリを助けてほしいとジョンに頼む。彼女は、息子を産むことを恐れているが、その理由は話さない。ジョンはいら立ちながらも、クラスターの妻たちに近づくなというジオーの命令にそむこうとしない。ジョンは、クラスターが、新生児を森の中に連れていくのを見て、彼を追いかける。クラスターはジョンを見つけ、頭を殴る。クラスターはジョンの武器を外し、要塞に引きずり連れ戻す。クラスターは、哨士達を家から追い出す。ジオーは、クラスターが息子たちを犠牲にしていたことを知っていたが、同盟として役に立つからと無視することにしていたことを明らかにする。
哨士たちは、最初の人々の拳として知られる古代の砦に到達し、クォリン・ハーフハンドと影の塔からの彼の軍を待つ。クォリンが到着し、彼は、戦略を変えてスカーリングパスにいるマンスの見張りを小さな部隊を用いて攻撃しようと提案する。ジョンはクォリンの部隊に参加したいと頼み、ジオーは彼を行かせる。
クォリンは、部隊をスカーリングパスへと導き、野人の監視を見つけ奇襲する。ジョンは自分の敵が女性であることに気づき、殺すことを躊躇う。彼女はイグリットと名乗るが、マンスの計画については全く口を割らない。クォリンはイグリットを殺すようジョンを一人にさせた。ジョンはイグリットを殺すことが出来ずに彼女は逃げてしまう。ジョンは彼女を追いかけ捕まえるが、クォリンの部隊から離れてしまう。ジョンは、夜が迫ってきていることからクォリンの部隊には戻れないと決める。イグリットは、ジョンに隣に寝て体温を分け合おうと説得し、ジョンを誘惑するが、ジョンは誘惑を断ち切り、誓いを破ろうとしなかった。
ジョンが残りの哨士達を探し続けるため、イグリットの足紐を解く時、彼女は、ジョンは童貞でしょと言う。ジョンは、イグリットに巻きついている紐を、つな代わりに使う。彼らが歩いている時、イグリットはジョンに、なぜ冥夜の守人が野人を嫌っているのかと尋ねる。彼女は、両者とも最初の人々の血を分かち合っているけれど、壁ができた時にたまたま違う側にいただけなのだと説明する。彼女は、ジョンに誓いを捨て自由に生きるよう促す。再度ジョンを誘惑しようとしたイグリットに、ジョンは剣を抜こうとする。彼女は後退し、ジョンが油断をした際に、彼を紐につまずかせる。彼はイグリットを追いかけるが、奇襲を受け、捕虜となる。イグリットは、ジョンにチャンスがある時に、私を手に入れるべきだったわと言う。
イグリットはジョンを骨の王の元に連れて行き、彼にマンスがジョンを尋問したいと思うはずと説得する。骨の王は、自分の囚人、クォリンを率いている。ハーフハンドは、ジョンを探していた間、残りの男たちは殺されたと話す。クォリンは、ジョンに自分達の死を意義のあるものにし、野人の軍隊内でスパイになろうと説得する。そして、クォリンはジョンを張り倒し自制を保つまで、ジョンに怒ったふりをする。
ウィンターフェルでは、シオン・グレイジョイがスターク家を裏切り、城を奪取した後に、ラムジー・スノーの軍に包囲されたが、スターク家を裏切り、ブランとリコンを生きたまま火あぶりにしたことからジョンは自分を殺すはずだからと、逃亡し冥夜の守人になることを拒む。
マンスの元に向かう途中、イグリットはジョンの剣の腹でジョンの頭を叩きジョンをふざけてばかにし続ける。クォリン・ハーフハンドはこれを使用し、ジョンを冥夜の守人の裏切り者だと描く彼の計画を進める。クォリンはジョンを攻撃し、骨の王は二人を闘わせる。ジョンは、クォリンがジョンの父は謀反者で母親は売春婦だと言うまで、気が進まない。ジョンはクォリンを殺し、イグリットと他の野人を驚かせる。クォリンは息を引き取る際に冥夜の守人の誓いの一文をジョンにささやく。ジョンの手の紐は解かれ、イグリットはジョンを山の頂上に連れて行き、巨大な野人のキャンプを見下ろす。
シーズン3[]
壁と黒の城に向かう途中、ジョンとイグリットは薪を集めている。ワーグのオレルがジョンに冥夜の守人の守備について尋ねる。オレルは鷲の目を通して、壁の上にパトロールがいるのを見た。どのくらいの頻度でパトロールが回ってくるのを知りたいのだ。ジョンは、通常は建物の被害の状態を調べるビルダーが二人とその二人を守護する役目のレンジャー二人から成る4人のパトロールが送り出されるが、頻度に関しては変更されることが多い、と答える。オレルは、壁の南側には壁に沿って19の城があることを野人は知っているが、人が待機する城は現在幾つなのかを知りたい、という。ジョンはとても嫌な質問だなと思うが、しぶしぶながらも、現在人がいるのは3城だけだと答える。黒の城の他には、はるか東の端に海を望む東の物見城(イースト・ウォッチ・バイ・ザ・シー)があり、西の端に影の塔(シャドウタワー)がある。それからジョンは黒の城の守備についているのは現在何人かと聞かれる。ジョンは答えるのを非常にためらうが、オレルに強要されると1000人いるぞ、と大げさな数で答える(これは嘘で、実際には「偉大なる調査 (グレートレンジング)」以前には黒の城にはわずか600人しかおらず、現在では守備についているのは300人足らず)。トアマンドはジョンに、自分はお前のことを気に入っているが、お前が嘘をついたら首からはらわたを引き裂いてやるからな、と言う。
その後ジョンとイグリットは立ち去るが、イグリットはジョンの剣「長い鉤爪(ロングクロウ)」を盗む。ジョンは彼女を追いかけ剣を取り返す。彼女はジョンを近くの洞窟に連れ込む。イグリットは服を脱ぎ始め、ジョン・スノウが本当に野人の側につき、冥夜の守人の誓いを破ったのかどうかを確かめたい、と言う。それは独身で通すという誓いを彼女と一緒に破ることによって確かめられるのだ、と。イグリットはすべての服を脱ぎ捨て、裸でジョンに近づく。ジョンは最初は非常にためらうが、二人はとうとう洞窟の中で愛を交えることになる。
行為の後、ジョンとイグリットは裸で抱き合ったまま横たわる。イグリットはジョンに、この洞窟で永遠に一緒にいられればいいのに、と言う。
ジョンはトアマンドに率いられた野人の一団に加わる。その前にジョンはイグリットから二人の関係とジョンの冥夜の守人に対する忠誠心について尋ねられ、守人にではなく彼女に対して忠実であるべきだ、と言われる。登る途中にイグリットは誤って氷を割ってしまい、二人はロープで宙ぶらりんになってしまう。二人を失ったと思ったオレルはロープを切ってしまう。ジョンは氷によじ登って自身とイグリットを救うことに成功する。壁登りに戻った二人は、頂上にたどり着く。頂上でイグリットは北と南を眺め見る。二人はキスをする。
危険な壁登りに生き残ったジョン・スノウとイグリットは、「巨人殺し」のトアマンドに率いられた野人の一団と一緒に黒の城に向かう。そこで冥夜の守人に対する攻撃開始の合図をマンス・レイダーが送るのを待つのだ。その後ジョンはオレルに、オレルが壁にぶら下がっていたジョンとイグリットのロープを切り捨てたせいで、二人とも死ぬところだったんだぞと詰め寄る。オレルはジョンに、イグリットは起こってしまったことに対し文句を言っていない、なぜなら彼女は野人であり、切迫した状況ではどうする必要があったかを理解できたからだ、と言う。さらに、これだから決してジョンはイグリットを自分のものにしておくことはできないだろう、とオレルは言う。森を通り抜ける途中で、明らかに嫉妬しているオレルはイグリットに、彼女にふさわしいのはジョン・スノウより自分の方だと詰め寄り、自分はジョンのことを信用していない、と続ける。ジョンもまたイグリットに対し、野人の目的は失敗すると初めから分かっていることだ、と説得を試みるが、彼女は聞く耳を持たず、厳密に言えばジョンも野人の1人なのだ、と指摘する。野人が失敗すれば彼も失敗するのだ、と。イグリットはジョンに再び熱い思いを抱き、歯に衣着せぬ物言いで言う。二人が死ぬなら死ぬだけだ。でも死ぬ前に、二人は生きるのだ、と。
ジョン・スノウと野人の一団は、年老いた馬の飼育者の家を奇襲し、馬と金を奪う準備を整えている。老人は自分達にとって危険な人物ではない、とジョンは主張するが、オレルとトアマンドは、老人が彼らの存在を冥夜の守人に告げることのないよう、老人を殺すつもりでいる。だが一団が農場に攻撃をしかけると、ジョンはひそかに自分の剣で石を打ち、老人が襲撃に気づき逃げられるようにしてやる。ジョンはさらに、逃げる老人を矢で射とうとするイグリットの注意をそらす。そんななか、野人からそれほど遠くないところにある廃水車小屋で、ブランとジョジェン・リードが壁を超える計画を練る。ミーラが馬の飼育者の老人が馬に乗っているのを見つける。老人が野人に捕らえられた後、ホーダーが雷に恐れて叫び始める。彼らの場所が野人に知られてしまうかもしれない。ブランがワーグの能力を使ってホーダーに乗り移り、失神させる。
外ではトアマンドが老人を殺しにかかるが、オレルが彼に、忠誠心を証明させるためジョンに殺させろ、と言う。ジョンには結局無実の男を殺すことができない。イグリットが代わりに矢で老人を殺す。ジョンが冥夜の守人にまだ忠誠心を持っていることが分かったトアマンドは、自分の兵にジョンを殺すよう命令する。トアマンドはイグリットを制止し、ジョンを助けようとするのを止めさせる。その後すぐにジョンはオレルと決闘を始める。ブランはジョジェンに迫られ、ジョンを援護すべく自分の飼う大狼(ダイアウルフ)のサマーに乗り移る。サマーとシャギードッグは、オレルと死闘を繰り広げているジョンを襲おうとしている野人二人を殺す。遂にジョンはオレルを殺す。オレルは最後の力を振り絞って自分のペットの鷲に乗り移る。鷲は急降下してジョンを襲い、顔を爪で引っかいて大怪我をさせるが、ジョンはなんとか鷲を追い払う。ジョンはそれから馬を盗みイグリットを残して逃走、壁に戻っていく。
逃げる途中で休憩と傷の治療をしようと足を止めたジョンは、怒り狂うイグリットから立ち向かわれることになる。彼女は矢を彼に向け放とうとしている。ジョンは彼女に射たないでと言う。自分は彼女のことをまだ愛しているのだ、と。ジョンの気持ちが報われたのは明らかだが、ジョンの裏切りにまだ怒りを抑えきれないイグリットは、逃げるジョンを自らの弓で3度射つ。ジョンは大怪我をするが、馬が途切れ途切れになる意識の間をさまようジョンを黒の城までなんとか運んでいく。安全なところにたどり着いたジョンはガードから城の中へ入れてもらう。そこで彼はサムとパイパーに出会い、二人はジョンを見て大喜びする。二人はジョンに、傷の面倒は必ず見てやるからと約束する。
シーズン4[]
ジョンはイグリットに負わされた怪我から生き延び、ほぼ快復するも、着替えるときには苦痛の表情を浮かべる。ある時点でジョンはロブの訃報を知る。ジョンは、ロブが彼らの父親の愛情をより多く受けていたこと、ロブが乗馬、格闘、そして他の女の子の愛情を獲得することに彼よりも長けていたことに常に嫉妬していたと、サムに打ち明ける。それでも、ロブを嫌いになることは決してなかったと語る。サムもジョンに対して同じように感じていたと答える。ジョンは(読み書きを除く)あらゆることで彼よりも優れていると。サムはジョンを連れ戻すために送られたということが判明する。ジョンは、メイスター・エイモン、臨時司令官アリザー・ソーン、そしてジャノス・スリントを含む5人の盟友からなる陪審団の前で証言するために呼び出される。その審理でジョンはクォリン・ハーフハンドを殺害したこと、野人たちの中で暮らしていること、そしてそのうちの一人とベッドを共にしたことさえも認める。またジョンは、マンスが攻めようとしていると述べ、彼の計画と力に関する情報を提供する。スリントとソーンは2人ともジョンに対して敵意をあらわにし、ジョンの発言の多くを信用せずその処刑を要求する。しかしエイモンはジョンが真実を述べていることを理解し、ジョンは処刑を免れ審理が終了する。
一方、ドレッドフォートでは、シオン・グレイジョイがブランとリコン・スタークの行方に関する情報の不足に悩んでいるとき、彼らがジョンと共に黒の城にいるかもしれないということを、彼は不本意ながらルース・ボルトンに伝える。ラムジー・スノウの提言により、ジョンはボルトンの標的になる。ジョンは非嫡子であるかもしれないが、ネッド・スタークの息子には変わりなく、北部におけるボルトンの今後の支配力に対する脅威となる可能性があるとラムジーは判断したのである。たとえジョンが夜警団の非嫡子であってもスタークを裏切ったボルトンを今でも憎悪している北部人がジョンの背後で結託する可能性もあれば、スタークの崩壊におけるルースとラムジーの役割を理由にジョンは彼らの両方に対して単純に復讐を試みる可能性もある。その後ルースは狩人のロックを壁に送り、夜警団に潜入させ、ジョンを利用してブランとリコンを発見させ、彼ら全員を殺害させようとする。
オリーが黒の城に到着した後、ジョンは村を襲っている野人について冥夜の守人に話す。ソーンはギフトに暮らしている庶民の防衛に関してジョンの意見を求める。ジョンは、野人が壁を破る場合、野人を止める軍隊のところに達するまで数千マイル以上を強引に南下できると言う。黒の盟友たちは角笛の一吹きで中断される。それはクラスターの砦の反逆者たちから逃れたグレンとエッドであることがわかる。ジョンは彼らが生きていることを知り安堵するが、反逆者たちがその砦に籠城し続けているということを彼らが明らかにするとその安堵は懸念に変わる。ジョンは、反逆者たちがマンス・レイダーにとらわれている場合、野人たちが黒の城の本当の価値を知ることになると理解する。ジョンは反逆者たちの排除を彼らの最優先事項にすべきであるとアリザー・ソーンを説得しようと試みる。
ジョンとグレンは野人と戦うために新兵を訓練しており、新兵の一人がロックである。ジョンに対して見下した態度で話し続けるソーンによって訓練は中断され、ソーンはジョンが単なる執事に過ぎないと言い聞かせる。ロックはジョンに接近し知り合うが、ジョンはロックの本当の目的に気づかない。ジョンとサムは壁を超えようとしているブランについて話し合っていて、ブランがクラスターの砦にいるかもしれないことがわかると、ロックが入って来て、ソーンが彼を呼び出したことを彼に話す。ソーンはクラスターの砦を攻撃する許可を彼に与えるが、それは志願兵によってのみである。ジョンは反乱によるモーモントの死に関して演説を行い、これはグレン、エッド、そしてロックを含む数多くの盟友の心を動かしその攻撃に参加させることになる
そのグループは夜襲を仕掛け反逆者たちの不意を打つ。ジョンは単独で中心の建物に入りカールと渡り合う。2人は実力が伯仲するが、カールがジョンの顔に唾を吐きかけ床に蹴り倒すことでなんとか優位に立つ。最後の一撃を入れる前に、カールはクラスターの娘妻たちの一人に背中を刺される。カールは彼女を殺そうとするが、それが致命的なミスとなり、ジョンはその機会を逃さずカールの背中から口を突き出るまでロングクローで突き刺す。
戦闘後、ジョンたちは冥夜の守人内の5名の死亡を確認する。そのうちのロックは首の骨を折られておりジョンは恐怖を覚える(ロックがブラン配下のホーダーに殺されたことをジョンは全く知らない)。そしてジョンはゴーストと再会した後、クラスターの妻たちの方に向かい彼女たちを黒の城に避難させることを申し出る。彼女たちはそれを拒否し、冥夜の守人の他のメンバーのもとで虐待を受けた後では彼らを信用できないため自ら進む道を決めると話す。彼らはクラスターの砦を去る前に松明を置き、そこを焼け野原にする。
ジョンとその仲間の黒の盟友たちは黒の城に戻り、サー・アリザー・ソーンとジャノス・スリントはこれに強い苛立ちを覚えることになる。アリザーはゴーストを見つけると、ゴーストを閉じ込めるように命令し、そうしなければそのダイアウルフは冥夜の守人の食料になるとジョンに言う。その後ジョンは、マンス・レイダーの軍隊がクラスターの砦に接近しており、次の満月の前に壁に到達すると報告する。ジョンは、門がマンス・レイダーの軍隊の巨人を止めることはできないためトンネルの防衛可は絶望的であると述べる。ジョンはトンネルの封鎖を提言するが、アリザー・ソーンは聞き入れようとしない。そしてアリザーはジョンとサムウェル・ターリーに次の新月までの壁上での夜警を命じる。
野人によるモールの町の襲撃が黒の城に届く。ジョン、パイパー、エディソン・トレットは、動揺したサムを慰めようとする。サムはジリとその赤ん坊が死んだと考えている。グレンは野人たちがモールの町の住人を虐殺し
たことに激怒する。その住人には冥夜の守人の盟友も含まれていた。ジョンは、モールの町が攻撃された場合、マンス・レイダーによる黒の城への攻撃は間近であると結論する。
壁上で、ジョンとサムは北部の闇の中を見つめて差し迫った野人の侵攻を待ち受けている。サムは、彼らの死が差し迫っており、これが最後の機会になるかもしれないと言い、女性と共にいるのはどのような感じだったか、ジョンに詮索しようとする。サムは冥夜の守人のメンバーが妻をめとることや子をもうけることを明白に禁止するだけの冥夜の守人の誓いや、他の「行為」の解釈が自由であることを引き合いに出す。ジョンはサー・アリザーがおそらくその解釈を気にしていないことを渋い表情で答える。イグリットと寝たときのことを詳しく話すようサムにしつこく迫られると、ジョンは説明しようとするが、正確に表現できず、自分は「優れた詩人ではない」といら立って言う。ジョンはサムが下に降りられるように一人で番をすることを申し出る。
その夜遅く、ジョンは角笛が鳴る音を聞き、北を見て、ちょうどマンスが彼に約束した通りに壁の北方にとてつもない大火を目撃する。ジョンはソーンに接近し、ソーンは最終的に折れて、彼の助言を聞き入れトンネルを封鎖しておくべきだったと認めるが、リーダーシップとは彼のような「こざかしいやつ」のために後悔しないことであると険しい顔で考える。
彼らが森の中から現れる野人の大軍団に対して準備を始める一方で、黒の城の下方から角笛の音がもう一度聞こえ、トアマンドによる野人の集団が黒の城に予期せず現れたことが知らされる。アリザーは降りてその砦を守ることを決意し、ジャノス・スリントに壁の防衛を任せる。二人の巨人が先導する野人の突撃部隊は、巨人の一人がマンモスに乗り、黒の城の外門に突撃するが、ジャノス・スリントは何もせず取り乱し、軍隊を混乱させる。グレンはジャノスが黒の城に戻ることをアリザーが求めているという虚偽の報告をすることで立ち入り、ジョンが壁の防衛を指揮できるようにする。
黒の盟友たちは迫り来る野人たちに矢の雨を降らし続け、壁を登ろうとしている者たちも殺す。巨大な弓で武装した一人の巨人が壁上の貯蔵庫に巨大な矢を打ち込み、ジョンがその盟友たちに警告するより早くその巨人は再び矢を放ち黒の盟友たちの一人をむごたらしく殺す。ジョンはマンモスを含めて外門に攻撃する野人たちのほとんどをなんとか撃退するが、一人の巨人が片手でその門を持ち上げる。ジョンは内門がそれに耐えられないことを知っているため、グレンの指揮する黒の盟友たちの一団を送りなんとしても持ちこたえさせようとする。そしてサムが到着して、城を防衛する者の増員を要求するため、ジョンはエッドに壁の指揮を任せ、ゴーストを彼のペンから解放して戦いの手助けをさせる任務をサムに与え、他の数名は彼と共に降りるように命じてついに合戦に加わる。
ジョンは複数の野人を迅速に葬りスタイアの注意を引き、2人の一騎打ちとなる。スタイアは最終的にロングクローを弾き飛ばすことで優位に立ち、容赦なく彼の顔を殴りつけ金床まで飛ばし、鍛冶場に放り込む。しかしスタイアがジョンを持ち上げて彼の首を絞め始めると、ジョンはスタイアの顔に血を吐きかけ、そばにあった鍛冶屋のハンマーをつかむ隙を作るとそれをスタイアの頭蓋骨にめり込ませる。スタイアを殺すとジョンは振り返り、イグリットがジョンに弓を向けているのを見つける。ジョンはイグリットに微笑みかけ躊躇させる。どちらかが何かを言う前にイグリットはオリーに心臓を撃ち抜かれる。ジョンがイグリットを腕に抱えると、イグリットは彼女たちが洞窟を去るべきではなかったことをジョンに話し、ジョンとイグリットは2人が共にいることを許さなかった状況を嘆くと、イグリットはその傷で死亡する。
その後、エッドは野人の軍をその夜のうちに追い返し、遥か下方でジョンは重傷を負ったトアマンドに応じている。トアマンドは城内に生存した唯一の野人でありながら戦い続ける。ジョンはクロスボウでトアマンドを降伏させ、トアマンドを捕虜にして尋問するようその盟友たちに銘じる。翌朝ジョンは野人の脅威を終結させる自滅的な解決策をサムと話し合う。ジョンはマンス・レイダーの暗殺を計画する。軍隊を構成する異種混交の野人の群れを束ねる唯一の存在がマンス・レイダーであり、その死は彼らからその目的と統率を失わせるという考えである。サムはジョンを止めようとするが虚しく終わる。ジョンが黒の城のトンネルを通って出る準備をする中で、彼らは巨人に対して内門を抑えた黒の盟友たちの遺体を発見する。その中にはグレンがいて、ジョンは全ての遺体を燃やさなくてはならないとサムに言う。ジョンは出発する前にジョラー・モーモントにした約束を思い出しロングクローをサムに渡しておくことにする。サムはジョンに戻ってくるように言い、ジョンはサムの方を振り向き、サムが不安そうに微笑むと、門の外側の荒野に踏み出す
ジョンは壁の北方の野人の宿営地でマンスを発見し、彼との交渉を要求する。マンスはジョンの裏切りへの失望を表明するが、彼らはグレンやイグレット等の、散っていった戦友たちのために乾杯する。そしてマンスはジョンが料理ナイフを見ていることに気付き、ジョンは単純にマンスを暗殺するために交渉に来たことにすぐに思いいたる。どちらかが動くよりも先に彼らは戦の角笛の音に中断される。外ではスタニス・バラシオンとダヴォス・シーワースが指揮する数百の騎兵が到着し野人のほとんどを虐殺する。
ジョンは自身をネッド・スタークの息子であるとスタニス・バラシオンに紹介し、マンスが彼を殺す機会を有していたがそうしなかったことを理由に、マンスを処刑するのではなく捕縛することをスタニスに提言する。ネッド・スタークへの経緯からスタニスはその提言を受け入れ、またジョンは死者の遺体が亡者にならないように燃やすよう助言する。葬儀中、ジョンはメリサンドルが火の向こうからジョンを見つめていることに気付く。その後、ジョンはターマンドのもとを訪れ、トアマンドはイグリットが心から彼を愛していたと話し、イグリットを壁の北方で眠らせるようジョンに頼む。それからジョンはその恋人の遺体を森の中に運び燃やし、歩き去りながら涙を流す
シーズン5[]
ジョン・スノウは、メリサンドルに壁の頂上でスタニス・バラシオンに会うよう勧められる前に、オリーや他の新メンバーと実践同様の練習試合をする。ジョンは、紅の女(メリサンドル)に寒いか尋ねると、紅の女は、” 火の神 “ が彼女の中に宿っているからと答える。紅の女がジョンに童貞か聞くとジョンはそうではないと答え、紅の女はそれを聞き満足する。
ジョンは、スタニスにひざまずき、スタニスとダヴォス・シーワースに会います。ルース・ボルトンがウィンターフェルを支配しているので、スタニスはジョンに死んだ腹違いの弟の敵を打ちたいか聞く。ジョンは、彼自身が冥夜の守り人の兄弟分であることを再確認する。ダヴォス・シーワースは、ジョンが野人との時間を過ごしたことで冥夜の守人への忠誠は曖昧になっていると言う。それでも、スタニスは戦いに勝ったら野人を王国の民とすることを許すので、野人の協力を得て北の大地を取り戻して欲しいと言う。さらに、スタニスは、もしマンスがひざまずいてスタニスへの忠誠を誓ったら、野人に命と自由を与えると言う。スタニスは、ジョンに日暮れまで、または壁の向こうの王 ( マンス) が焼かれるまでマンスを説得する時間を与えると言う。ジョンは、マンスや野人の命を救えるようマンスを全力で説得するが、失敗に終わる。マンスが火葬場へ連れて行かれた時、スタニスは、マンスに最後のチャンスを与える。マンスは、それを断り、火刑柱に連れて行かれ、メリサンドルに火をつけられる。ジョンは、マンスが苦しむ姿は見るに堪えなく、暴れ回る。ちょうど火がマンスの体を焼き尽くし始める時に、ジョンは同情しマンスの心臓を弓で撃つ。
スタニスとダヴォスは、渡りカラスの持ってきた、私の家は北の大地のスターク家ということのみ誓えるというリアナ・モーモントのメッセージをジョンに見せ、ジョンに将来について話し合うよう命令する。スタニスは、ジョンを合法的にウィンターフェルの王にすることを申し出る。その日遅くに、選択が始まり、冥夜の守り人の多数の同胞達はアリザー・ソーン、もしくは影の塔の指揮官であるデニス・マリスターのどちらかに投票するよう集められる。ジョンがスタニスの申し出を断るつもりで、彼の誓いに対し忠実でいると誓った後に、サムは、ジョンを3番目の候補者として推薦し、ジョンがどのように黒の城の防衛を指揮し ( ソーンが勇敢に戦い、ジャノス・スリントがジリと配膳室で縮こまっていたという事実も含め )、マンスを引き止めるために快く自身を犠牲にしたことを詳しく話す。票が投じられたので、マスター・アモンとその側近は投票券を数え始め、ジョンとソーンとの間の関係が明らかになる。アモンは、手の中にある彼の投票チップを探し、円形の記念品を作り、ジョンが第998代冥夜の守り人の司令官に選ばれたことへの喝采する。
ジョンは、申し出の合法化についてスタニスとダヴォスに話を持ちかけられる。ジョンは新司令官として、たとえ彼の夢はスターク家の一員となることであっても、彼の立場は冥夜の守人にあるとスタニスに思い起こさせるように言う。スタニスは、ジョンの決意を尊重し、冥夜の守人が軍隊や野人の囚人を養うことができないので、2週間以内にウィンターフェルへ進撃すると言う。さらに、スタニスは、最も安全に野人の囚人を処刑できる海を望む東の物見城の指揮官にアリザー・ソーンを送ることを勧めた。そう言いスタニスはそこを離れるが、ダヴォスは残り、スタニスが北の大地を取り戻すための助けをするよう、さらにジョンを説得しようとする。ダヴォスは、冥夜の守人は “ 人の領域を守る盾 “ であり、壁の向こうの七王国を守ることのみ意味しているのではなく、ボルトンの支配下にある北の大地のように苦しんでいる七王国を守るため戦いに参加することを意味しているのではないかと、繰り返しジョンに言う。
冥夜の守人の会合中、ジョンは守り人の一人に新しく掘っているトイレの状況を見るよう命じる。さらに彼は、アリザー・ソーンを先頭隊員と名付け、冥夜の守り人の経験豊富で大切なメンバーであることを認める。そして、ジョンは破壊されたグレイガード城の修理と人員の配置をジャノス・スリントに命じる。ジャノスは、その命令に従うことを断り、公然にジョンを侮辱し、ジョンがジャノスにこれは直接的な命令であると注意した後でも、その侮辱は続いた。司令官であるジョンは、公然で命令に背かれ、侮辱されたので、ジャノスを外へ連れ出し、オリーにロングクロウ剣を持ってくるように命令をします。ジャノスはたたき台で、ジョンに慈悲を乞いますがジョンは臆病なシティーウォッチの前指揮官を- 付随的にジョンの父親を裏切り死に追いやった人の中の一人にわずかな報いを下すこととし – ひと振りで処刑する。スタニス・バラシオンが中庭の向かいから、ジョンが命令に背いたためにジョナスの首を切り落とすところを見ており、わずかに承認のうなずきをする。
ジョンは、スタニス、セリース、シリーン、ジョンを監視しているメリサンドルと共に、スタニスはジョンをエダートの落し子だと信じていないことをほのめかしながら、新メンバーの訓練を続ける。後になって、サムは冥夜の守人のため援兵の派遣を北の王へ依頼するが、ジョンは兄弟を殺されたルース・ボルトンへ依頼することを嫌がる。ジョンは、二人は忠実でいるべきで冥夜の守人のために出来るだけ多くの援兵をルースへ要求するべきとサムに説得され、憤って依頼書にサインする。メリサンドルは、ジョンの執務室へ入り再度、侵略した人々を北の大地から追い出すよう説得を試みるが、ジョンは黒の城が本国だと主張する。メリサンドルは、ジョンの中にある強い力を感じ誘惑しようとするが、ジョンはイグリットへの愛を思い出しすげなく断る。メリサンドルは部屋から出る時 “ ジョン・スノウ、あなたは何も知らないわね “ とジョンに言う。
後になって、ジョンは決断しようとしていることについて、冥夜の守人の半数はジョンが野人に同情していることを嫌っていると言い、アモンの助言を求めるが、アモンは “ 少年を殺し大人の男を生め “ 、つまり、ジョンが最善と思っていることをするように勧める。実際に、ジョンの計画は野人に壁を越える許可を与え、七王国の北の大地に住まわせる、それどころか冥夜の守人に参加させた。ジョンの考えは、激しい非難にあい、親友のエドやオリーまでもが批判をするが、ジョンの実際の目的は野人がやって来るホワイト・ウォーカー軍の手に落ちないようにすることだった。ジョンは、スタニスの奇襲攻撃から逃げた残りの野人との交渉のために、野人の漁場である堅牢な家へ行って欲しいとトアマンドだけに話す。トアマンドは同意し、野人が罠と思わないようにジョンが同行するのであれば依頼を受け入れると言う。ジョンは、旅に向けてスタニスから何艘か船を借る。その後、スタニスが軍隊を引き連れ黒の城からウィンターフェルに向かう準備をしている時に、ジョンはスタニスに援助のお礼を言い、借りた船を返すことを約束する。また、スタニスが生まれ育った家のあるウィンターフェルをボルトンから取り戻すためにウィンターフェルへ出発するところを見送る。
ジョンは、その後、トアモンドとエドを含む冥夜の守人のグループと黒の城を出発する準備を始める。ジョンは、冥夜の守り人の世話をこの任務を非難したソーンに任せ、サムにお別れを言い、サムは途中でホワイト・ウォーカーに出会った際に備えドラゴングラスの短剣をジョンに渡す。ジョンは、最後にサムを抱きしめ、任務のため黒の城を出発する。その後、ラムジー・ボルトンはサンサ・スタークにジョンが世界でのし上がった落し子の例だということを引き合いに出し、ジョンが冥夜の守人の新司令官になったのならば、ラムジーもなれるのではないかと主張する。
ジョンは、仲間と堅牢の家に到着する。トアマンドはがらがら帷子を殺害した後、ジョンと小屋の中で部族の組長と話す。野人はマンスを殺したジョンを殺害する準備はできていると言うが、トアマンドは立ち上がり、ジョンは実際にはマンスを慈悲の念から殺害したことを明らかにする。ジョンは、来るべきホワイト・ウォーカーとの戦いで冥夜の守人の助けをすると約束するのならば、野人にドラゴングラスの武器を提供し、壁の南の大地に住むことを許可すると言う。さらにジョンは、たとえ、野人と七王国の総隊がホワイト・ウォーカーを止められなくとも、戦って死ぬことができると言う。5000名の野人がジョンの提案に同意し、残りの野人は堅牢の家に残ることを決める。しかし、5000名の野人が出発の準備をしている時に、亡者の軍に攻撃される。ジョンは、ドラゴングラスの剣を回収しようと小屋へ向かいながら戦うが、ホワイト・ウォーカーの待ち伏せ攻撃にあう。ジョンは、ホワイト・ウォーカーとしばらく戦い、ジョンがカノコソウで出来た剣を使いホワイト・ウォーカーを殺すことができると分かり、ロングクロウ剣を使い出すまでの間にホワイト・ウォーカーに殺されそうになる。エドは、ジョンが巻き返すのを助け、亡者が水の中まで追うのを拒む中、スタニスの船へ向かうボートにどうにか戻ることができます。しかし、ジョンとエドがそこを離れる時、ナイツ・キングが埠頭に現れ、長い閃光と同時に魔法で死んだ全ての亡者をジョンの前に浮き上がらせる。ジョンは、先ほど見た殺戮はウェスタロスでの戦いの単なる前兆にすぎないと分かり、明らかに恐怖に震えているように見える。
ジョンと他の人々は何とか歩いて壁まで戻ることができ、壁の中に入れてもらえるようにアリザー・ソーンに姿を見せる。野人を黒の城から北の大地へ通過させる時、サムウェルが少なくとも少数の野人は救うことができたと慰める一方で、ジョンは残りの野人を救えなかったと嘆き悲しみます。しかし、ソーンはジョンにその自身の優しい心に殺されると警告する。実際に、ジョンが周りを見渡すと、ほぼ全ての仲間がジョンを軽蔑して見ており、その中にはオリー、オセル・ヤーウィック、バウエン・マーシュがいた。
ジョンはホワイト・ウォーカーとの戦いと、ますます緊迫してくる他の冥夜の守人との関係についてサムと話す。そこで、サムはジリと子供と黒い城を離れオールドタウンへ行き、自身はメイスターになる訓練をすることをジョンに話す。サムは、戦士よりもメイスターとして生きる方が自身に合っていること、冥夜の守人が故アモン・ターガリエンによって残された隔たりを埋める必要があることが理由だと言う。ジョンは、この頃少数の味方しかいないのでサムの要求を嫌がり、さらにジョンは、サムとジリが肉体関係にあると分かる前、サムはメイスターとして性的禁欲への誓いは2倍あると指摘する。 ( 後になってジョンは、事実は違うのでおもしろいと思いました ) しかし、結局、ジョンはサムの要求に同意しサムを見送る。
ジョンは、スタニスに代わりダヴォスに会い、ウィンターフェルのスタニスへ兵を送ることを依頼される。ジョンは、たとえ冥夜の守人がスタニスと同盟を結んでも十分ではなく、野人は自身の戦いではないのでスタニスのためには戦わないだろうと指摘する。ジョンとダヴォスの言い争いは、疲れ混乱しているメリサンドルによって間を裂かれます。ダヴォスがスタニスとシリーンについて質問をすると、メリサンドルは何も口にしなかったが、既に悲しんでいることは明らかで、王と王妃の死を確認したように見えた。ジョンとダヴォスはまだ絶望し言葉に困っていたので、メリサンドルはその知らせを聞き慄然としている二人を残し城に戻る。
その夜、伝言を読んでいる時にオリーがジョンのもとに現れ、野人の一人が叔父ベンジェンの行方を知っていると言う。ジョンは、直ちにアリザー・ソーンに続き冥夜の守人の同胞のもとへ行く。” 裏切り者 “ というサインのみを探して……。ソーンと他の同胞は、” 冥夜の守人のために “ と声に出しながら、ジョンを剣で刺していく。傷を負ったジョンが息苦しくてひざまずくと、オリーが泣きながら現れ少しの間をおいて、” 冥夜の守人のために “ と言い放ちジョンを刺す。ジョンは、地面に崩れ落ちて死ぬ。ジョンの周りの氷は、大量の血で染められていた。
シーズン6[]
ゴーストの遠吠えで気が付いたダヴォスやエッドらがジョンの死体を発見する。彼らはジョンを総帥の部屋に運ぶ。エッドは即座にソーンの仕業であることを悟り、野人の協力を取り付けるため城から発つ。メリサンドルはジョンがウィンターフェルで戦うビジョンを見たと言うが、彼は死んだとダヴォスに否定される。ダヴォスたちは部屋に籠城し、ジョンの遺体を守ろうとするが、ソーンらは部屋の周辺に人員を配置し投降するよう要求する。
ソーンたちが部屋に押し入ろうとしてきた瞬間、エッドが連れて来た巨人が城の門を破壊し、野人たちが押し寄せてくる。ソーンたちは拘束された。
ダヴォスはメリサンドルに死人を復活させる術がないのか尋ねる。メリサンドルは復活した男を見たことがあるが、自分にその技はないと言う。スタニスが死んだことで光の王の技に疑問を抱き始めたメリサンドルだが、ダヴォスに試してみてほしいと依頼され、渋々承諾する。メリサンドルはジョンの死体に向けて高地ヴァリリア語で何かを唱えるが、何の反応もない。トアマンドやエッドは出て行ってしまい、ダヴォスとメリサンドルも諦めるが、皆が退出した後、眠っていたはずのゴーストが反応し、ジョンは息を吹き返す。
静かに起き上がるとダヴォスに介抱されつつ、ジョンの身に何が起きたかをメリサンドルに尋ねられるが、ダヴォスがジョンと二人にするようにメリサンドルに頼む。ジョンはオリーに刺されたことを話すが、自分がなぜ蘇ったか疑問に持つ。トアマンドとエッドと再会し、喜びを分かち合う。直後にウィンターフェルから逃亡してきた妹サンサ、ブライエニー、ポドリックが〈黒の城〉を訪れ、ジョンは妹と再会を果たす。
かつては対立し合っていた者たちで食卓を共にするが、ウィンターフェルのラムジー・ボルトンから、脅迫の手紙が届く。手紙の内容は、サンサを引き渡さなければ、目の前で妹を部下に犯させ、弟リコンを犬に食い殺させるという内容であった。ジョンは悩んだ末に、スタークを支持する北部諸侯の協力を仰ぎ、兵を集めることを決意する。
ジョンはサンサ、ダヴォス、メリサンドルを連れて〈熊の島〉の当主リアナ・モーモントのもとへ訪れる。リアナは、ジョンが私生児であることを問い詰めるものの、北の王はスタークのみとし、62人の兵を出す。その後〈ディープウッド・モット〉のグラヴァー家の元を尋ねるが、野人とは決して手を組まないこと、ボルトンの協力でディープウッド・モットを奪還できたため恩を仇で返せないこと、そしてこれ以上部下を死なせるわけにはいかないことを言われ協力を断られる。
劣勢のまま迎えた決戦の前日に、ジョンはサンサやダヴォスらを連れて、ラムジーと交渉に乗り出す。伝統に則り一騎打ちを申し出るが、兵力で遥かに優勢なラムジーはこれを断る。その晩、ダヴォスらと共に作戦を立てる。軍を整えてから戦争に臨むべきと言うサンサに対し、劣勢のまま戦争に挑むしかないとジョンは言い、口論になる。
そして迎えた決戦の日の早朝。ジョンは軍と共にウィンターフェルへ赴くと、そこには自軍よりも遥かに多いボルトン軍が控えていた。そこに馬に乗ったラムジーが縄で縛った弟リコンを引き連れ、目の前で縄を解く。ラムジーはリコンに兄の元へ走るよう命じるが、これはラムジーの仕掛けたゲームであった。リコンが走り始めると、ラムジーは弓矢でリコンを狙って矢を射続ける。ジョンは馬に乗って、リコンを助けようとするが、あと一歩の所で4本目の矢がリコンの胸に突き刺さり、そのままジョンの目の前で死亡してしまう。そしてボルトンの兵が矢を射始め、戦争が始まる。ジョンはそのままラムジーの元へ馬を走らせるが、馬に矢が刺さり、転倒する。ジョンの目の前には圧倒的な数のボルトンの騎兵隊が迫る。ジョンは静かに鞘を取り〈長い鉤爪(ロング・クロウ)〉を引き抜き、構える。そこに自軍の騎兵隊がボルトンの騎兵隊に衝突し、そのままジョンは戦い、屍の山が築かれていく。その後ボルトンの歩兵が陣形を組み、ジョンたちは包囲される。盾と槍を構えるボルトン軍により追い詰められ、ジョンは屍の山へ走る兵に潰されそうになる。圧倒的に不利な状況に立たされていたジョンであったが、そこに笛が鳴る。笛の鳴る方を見ると、そこに駆けつけてきたのは、サンサが引き連れてきた谷間のアリンの騎兵隊であった。アリンの騎兵隊がボルトン軍を次々になぎ倒し、ボルトン軍は壊滅する。ジョンはトアマンドらを引き連れ、ウィンターフェルへ敗走するラムジーを追う。ウァン・ウァンがウィンターフェルの城門を破り、ジョンたちはウィンターフェルへ攻め込む。しかし矢を射られ続けたウァン・ウァンに手を差し伸べようとすると、ラムジーがウァン・ウァンの目を射抜き殺害する。ラムジーはジョンの一騎打ちの申し出を引き受け、ジョンへ矢を射る。ジョンはすぐさま落ちていた盾で矢を防ぎ、ラムジーの取り元へ迫り、殴り倒す。怒りに震えるジョンは、ラムジーの顔面を殴り続けるが、サンサの顔を見て止める。
決戦が終わり、ウィンターフェルに掲げられたボルトンの旗は下ろされ、スタークの旗が掲げられる。ジョンは弟リコンの遺体を地下墓所に埋葬するよう命じる。
〈オールド・タウン〉より白い使い鴉が届き、冬が訪れたことを知らされる。ジョンはメリサンドルと共にかつて家族と共に食卓を囲んだ机を眺め懐かしむ。そこへ血相を変えたダヴォスがメリサンドルへ、シリーンの鹿のおもちゃを投げ、ジョンへ誰のものだったかを説明させる。メリサンドルはシリーンを生きたまま火炙りにしたことをジョンに告白し、ダヴォスは怒りに震える。ダヴォスにメリサンドルの処刑の許可を求められるが、ジョンは今日中に南へ発つよう命じ、仮に北部へ戻ってきたら殺人の罪で処刑するとメリサンドルへ警告する。