- "我々はクァースを『過去にも未来にも存在しない最も偉大な都市』と呼ぶ。船着き場や税関しか知らない奴らに主張するにも、金や宝石にしか目を向けられない奴らに嘘を吐くにも簡単な文句だからだ。どちらにせよ、クァースを取り仕切る我々十三人組は街の安全に気を配っている。"
- ―ザロ・ゾアン・ダクソス
エッソス南部の沿岸、夏の海と翡翠海を繋ぐ海峡に位置する巨大な貿易都市がクァースだ。ウェスタロス、自由都市、夏諸島、そして奴隷商人湾から来る船は全て、クァース海峡を通って、アッシャイやイ・ティなどの遠い東にある貿易の中心地や国家まで航海する。
エッソスの他都市と違って、ドラスク人の侵略に怯える必要がない。というのも、広大な赤の荒地がドスラクの海とクァースを隔てているだからだ。また、以前にヴァリリアに侵略されたこともない。赤の荒地が、エッソスの他地域とを繋ぐ陸路を隔てているが、ウェスタロスからアッシャイまで、様々な商人と貿易を交わす主だった港であることに変わりはない。砂漠に囲まれているが、クァース自体はオアシスに建っており、都市の中は熱帯気候となっている。
非常に大きな石の壁と強靭な門に守られていて、承認された人しか入れないようになっている。赤の荒地の背後という孤立した場所にあるため、入場を許可されなかった旅人には死が訪れ、こうした人々の骨が壁周辺に見られる。この地域は「骨の庭」とも呼ばれている。
人々と政治[]
クァース人として知られる人々は自分たちの故郷を「過去にも未来にも存在しない最も偉大な都市」と呼んでいる。商人や貴族で構成される十三人組によって寡頭政治が行われている。メンバーのほとんどが、退位したクァース王の子孫である上流階級の純粋人だ。多数決制を取っているにも関わらず、スマイに祈願し、命と血で請願して決定を覆すこともできる。
クァース人にとっては周りの評判が重要で、見た目にとても気を遣う。男性は、金や宝石を贅沢に使用したベストを身にまとい、女性には異国風に髪を染める人もいる。男女どちらも、宝石がはまっている、昆虫のような形をした金で服を飾る。外見の良さは権威を示すためだけではなく、生き残るためでもあるのだ。たとえば十三人組のうちでは、議席を先祖代々受け継ぐのでなければ、裕福で権力があることを他の十二人の前で示さない限り、席には残れない。外見を保つのに少しでも失敗すると除名され、すぐに他の人が席を埋める。
歴史[]
シーズン1[]
元娼婦で、デナーリス・ターガリエンの侍女であるライスのドリアは、売春宿を訪れたクァースの貿易商人から聞いた話を思い出す。昔、ドラゴンの卵で出来た二つの月があった。しかし、片方は太陽に近づきすぎたために、温まって卵が割れた。そこから『何千頭ものドラゴン』が出てきたという話だ。
シーズン2[]
デナーリス・ターガリエンと彼女のカラザール(部族)は、赤の荒地で水が無くなって死にかけた。デナーリスは3人の血の乗り手に救援を呼びに行かせ、コヴァッロがクァースへの行き方を発見。東に3日歩いたところにあったクァースに、デナーリスを案内した。都市の外側では十三人組に歓迎されたが、ドラゴンを見せるのを拒否すると、都市への入場を断られた。ザロ・ゾアン・ダクソスは、古代クァース人の法律であるスマイに祈願して議会の決定を覆し、デナーリスの一行を庇護のもとに置いた。
少し後に、裕福なクァース人の一団がザロ・ゾアン・ダクソスの牧師館での集まりに赴き、デナーリスに挨拶した。
ザロ・ゾアン・ダクソスとクァースの黒魔導師のパイアット・プリーは、都市内でクーデターを起こして十三人組のメンバーを殺害する。自分たちの目的のため、デナーリスのドラゴンを黒魔導師の塔である不死人の館に幽閉。後にデナーリスがドラゴンを救出し、ドラゴンの炎でパイアット・プリーを生きたまま焼かせた。それから、騙されたことへの仕返しとしてザロ・ゾアン・ダクソスを、実は空っぽだったと発覚した彼の金庫に閉じ込めた。
シーズン3[]
ユンカイの外でラズダル・モ・エラズと会った際、デナーリスは、都市にいるすべての奴隷の解放を要求、さもなくば穢れなき軍団が武力を行使すると伝える。ひどく頭にきたエラズは、アスタポアやクァースと違って、ユンカイには喜んでデナーリスを打ち負かす「強力な友人」がいる、と言い返した。
シーズン4[]
ユンカイとアスタポアで反乱が発生したことを知り、デナーリスとサー・ジョラー・モーモントは、可能な解決策について議論した。サー・ジョラー・モーモントは、クァースでデナーリスに、物事を急ぐなと忠告したことを思い出させた。
シーズン6[]
世界中の海で船がユーロン・グレイジョイに襲われているため、「オールドタウンからクァースまで、人々は俺の船の帆を見たとたん、祈るのさ」と彼自身が言っている。
有名な市民[]
- スパイス王 十三人組のメンバー。パイアット・プリーに殺害される。
- ザロ・ゾアン・ダクソス 夏諸島出身の豪商。十三人組の中でも権力が強く、自称クァースの王。デナーリス・ターガリエンによって自分の金庫に閉じ込められる。
- パイアット・プリー クァースの黒魔導師の代表者。不死人の館にて、ドロゴン、レイガル、ヴィセーリオンに殺される。
- クェイス アッシャイの影魔術師。