- この記事は北方の地域について書かれています。エピソードは贈り物(エピソード)を参照。
ギフトはナイツ・ウォッチが支配する、壁の西方の土地。北方として知られている地域の端に横たわる。ナイツ・ウォッチの食糧や物資支援のため、何千年も前にスターク家から贈られた。
正式にはウィンターフェル城の権力下にあるわけではなく、北部の一部というわけでもない。ナイツ・ウォッチの直接の支配下にある特別な管理地域だ。しかし、文化面や社会的な面から、通常、ギフトの村々は北部の延長のように思われている。
ナイツ・ウォッチがギフトを所持しているため、定義上は名家が存在しない。そのため、この地域の落とし子に与えられる特別な名字がない。こういった名字は、名家の落とし子にのみ使われるからだ。
歴史[]
伝説によれば8000年前に建てられたとされ、壁それ自体と同じくらい長い歴史がギフトにはある。ナイツ・ウォッチが定期的に食糧や家畜、薪などを補給するために授与された贈り物の土地の意味で、ギフトと呼ばれている。神話によれば、スターク家の始祖であり壁の建設者であるブランドン建設王自身がギフトを与えたとされている。
地理的特徴[]
ギフトは壁のすぐ南から広がっており、ウェスタロスの西海岸まで東に伸びている。南の境はおおよそ、南のスカゴス島(熊の島北端よりも少し北)と並行線を描くあたりまで。ウィンターフェルから黒の城までを繋ぐ王の道が、ギフトの真ん中を通っている。ラストハース城の御膝下に位置するアンバー家の土地とギフトの南方が接している。北部(と七王国全体)の中で最北に存在する名家として、アンバー家はしばしば、野人を追い払うために部隊を率いてギフトを通らなくてはいけない。
ギフトの最西部には厳しい山肌の田舎が広がっており、主に壁の北に位置するフロストファング山脈がこちらまで伸びてきている。山脈の南部はギフトを通り、北部に至るまで続く。
気候は冷たいながらも、ウェスタロス南部の戦争地域から遠く離れた場所に、耕作に適した土地を擁している。何世紀もナイツ・ウォッチは否定してきたが、壁の周囲やこちら側にまで及ぶ野人の侵入が増え、壁に近いギフトの土地は大いに荒廃した。ギフト全体でも人口が減少し、田舎にも人が住んでいない古い村々がそこかしこに存在している。クイーンズクラウンというギフト内の町も、現在では廃墟となっている。
壁に一番近く、実際に平民が生活している村は、黒の城付近の王の道に沿っておかれているモールスタウンだ。町と呼ばれてはいるが、ウェスタロス南部にあるような市場を開いている町ほど大きくはない。ウェスタロス南部の平均から見れば小さく不潔で痩せた土地でも、ギフトの中では最大の居住地である。
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In the books[]
小説『氷と炎の歌』でギフトは、ブランドン建設王だと信じられているブランドン・スタークによって、ナイツ・ウォッチに与えられた。評議会は、壁を建設した者とギフトを与えた者は別のブランドンだと信じている。この状況に小さな変化をもたらしたのが、ターガリエンの征服だ。ギフトは名目上、七王国の領土の一部で鉄の玉座の支配下にあった。しかし実のところ、ターガリエンの王は、ナイツ・ウォッチが他に干渉されずに土地を支配する意思を尊重し、ギフトを名家の監督なしで機能させることを許した。
もともとギフトは、壁から南方に25リーグ(75マイル)まで及んでいたが、2世紀ほど前に2倍に広がった。ジェヘアリーズ調停王の義理の姉妹、アリサン・ターガリエン女王がシルバーウィングというドラゴンの背に乗って壁を訪れた際、勇敢で忠実なナイツ・ウォッチに感心し、ギフトを拡大するよう夫を説得した。その結果、王は既存の土地に「ニューギフト」を加えた。ニューギフトによってギフトはさらに25リーグ南に伸び、壁から南に150マイル、海岸から海岸まで広がる全ての土地を、ナイツ・ウォッチが支配することが可能になった。
平民たちがもともと「ブランドンのギフト」に住んでいたか、また、ナイツ・ウォッチに仕えるために来たのかどうかは不明。どちらにせよ、ギフトの拡大は平民の人口を増加させた。北へ移動しブランドンのギフトに移った者もいるかもしれないが、後に野人の襲撃が増えたため、また南に戻ることになっただろう。ナイツ・ウォッチの人数が減ったことにより、壁の警備や、時たま壁を越えて(警備の薄い場所を登るか、海を迂回して)やって来る野人の小隊からギフトの村々を守ることが難しくなった。その結果、壁の付近には少数しか住まず、より多くの農場や村々はアンバー家に近いニューギフトに置かれるようになった。最も有名な侵攻は、1世紀以上前に壁の向こうの王、赤ひげのレイマンによって行われ、スターク家の軍に敗北する前にロングレイクにたどり着いたとされる。